ブログ第2弾|学生の中にいつか線で繋がる点を増やすー山村彩吹

ブログ第2弾を書くのは、ID24 山村彩吹さん。パンデミックの本格化と共にスタートを切った大学生活は、思い描いていたものと違っていた。人との出会いも難しいコロナ禍の大学生活の現実の中で、山村さんは”つなぐ”「キャリア教育」を始める。そんな山村さんに、活動と活動にかける思いについて書いてもらった。コロナ禍の大学生活にもやもやしている方、キャリアに興味のある方、ICU卒業生などなど多くの人に届けたい記事。

執筆者情報

ID24 山村彩吹(やまむら・いぶき)
NUINEを立ち上げ、”ヒトとモノとの出会いの場”をつくる。
専攻:教育(予定)
趣味:サッカー(高校時代には女子サッカー部passionsでGKコーチを務め、大学では女子サッカー部OFFSIDESに所属する。)

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目次

卒業式での誓い

「またこの学校に、今度は教師として戻ってきます!!」

高校の卒業式、答辞を読んでいた私は全卒業生と恩師たちの前でそう宣言しました。

もともと学校という空間が大好きだった私は大人になっても合法的に学校に入れる方法なんだろう?と考えた結果、教師という仕事に行き当たりました。教育に携わりたいといった崇高な思いがあったわけでも、こんな風になりたい!という教師像があったわけでもなくただただ学校が好きだったのです。目標が決まればあとは簡単です。先生になるためには教員免許が必要と聞き大学に入りました。ICUでは主要5教科の中学・高校の免許が取れます。高校時代は世界史が一番好きな科目だったので社会科の免許を取ることにしました。大学では自分の夢に向かって好きな勉強ができる!社会を教えるんだし、人生経験が豊富な先生の方が個人的には話が面白かったから大学時代はいろんなことに挑戦してみよう!などと大学生活に胸を膨らませて一年生の春学期を迎えました。

屍のような夏休み

「あれ?思ってた大学生活と違う」

大学生活初期の思い出は何ですか?と問われれば私は迷いなく「コロナです!」と声を大にして答えると思います。そのくらい一年生の、特に春学期は一日中パソコンと向かい合って授業を聞き、課題をこなすことを繰り返していました。「大学生って本来どんなことできるはずだったんだっけ?」入学前は留学やインターン、部活に学生団体など、もともと課外活動が好きだった私はそういったものに積極的に参加したいと考えていました。しかし蓋を開けてみれば、いくら学生の本分は勉強といってもその勉強ですら慣れないオンライン環境で、しかもほとんどがELAに食い潰されている状況に嫌気がさしていました。長い長ーい夏休みに入って一区切りついた状況で、「4年しかない大学生活全然有効活用できてないな…もっとやりたいことあったはずなのに」と振り返る時間が多くなりました。本来であればできているはずの人とのつながりも、オンライン上の薄いものだけで、ELAのセクションメイトが限界でした。自分が憧れていたような活動はその狭いコミュニティの中だけでは知り得るはずもなくただ日々を無為に過ごしていました。夏休みも後半に差し掛かってきた頃、コロナのおかげで旅行にも行けずバイトまでオンラインづくしだった私はさすがにこの状況に飽きてきてしまいました。それと同時にまだ学生生活への憧れを捨てきれないでもいました。

「大学生って本当はどんなことできたのか知りたい…先輩ともっと言えば社会で活躍してる人とのつながりがほしい…」

そんなことを考えて、周りの友達にも不満を漏らしているうちに以外と周りにも同じもやもやを持つ友達が多いことに気付かされました。「一人でそんなに絡んだことない先輩に話聞かせてください!って突撃するのは勇気いるけど、なんかイベントをやって登壇者になってもらうって大義名分があれば誘いやすいのでは??」と考えた私は、早速、SNSでの発信が多く一応何度か会ったことがある先輩に絞って登壇者のお誘いを初めてみました。最初は「こんな得体の知れない後輩のイベントに参加してくれるのだろうか…?」と不安でいっぱいでしたがどの先輩も心優しく申し出を引き受けてくれました。中には自分の知り合いで活動している学生を登壇者として引っ張ってきてくださった方もいて、人とのつながりの大切さを改めて感じるとともに当日の参加者の多さからコロナ時代の情報への需要の高さを感じさせられました。この時にやったイベントが自分で企画したイベントの中で記念すべき第一回目となる「大学生活、キミはどう過ごす?」になります。

キャリア教育じゃん

留学、部活、インターン、学生団体、バイトなどそれぞれの分野を頑張ってきた先輩からの話を聞くというイベントはSNSで募っただけにもかかわらず参加者30人を超える大成功に終わりました。自分だけに限らず大学生活を有意義に過ごせていないもやもやを抱える学生は以外と多かったのです。一回目のイベントを通して私同様「屍化」していた人たちが、イベントに参加したことで自分から積極的に動いてみようという意識が高まったり、情報不足で動けずにいた人がより容易に活動へとアクセスできたりするようになりました。そんな中で「人の役に立てた」という思いと「あれ、これキャリア教育の一環では?」と気付きを得た私はイベントを定期開催することを決意します。ちょうどこの時一回目にやったイベントで景気づけられ一緒に活動してくれる仲間も増えてきました。

これは後付けにはなりますが、私の目指す教員という仕事は大学を卒業した後にそのままなってしまうと、どうしても世間知らずだと思われがちです。また実際に生徒の進路相談に乗る上で「先生は社会出たことないから知らないんだけど〜」といった前提で相談に乗るのってかなり不安じゃないですか?しかし自分一人の人生だけで何十、何百通りもの生き様を語ることは不可能です。教師になった時に少しでも生徒の進路の幅を広げられる先生になりたいなと思った私は「自分一人で全部やろうと思わなくても、今のうちに講演に来てくれそうな面白い人とたくさん知り合って学校に話に来て貰えばいいじゃないか!」と安直に思いつきます。また生徒が何かに興味を持った際に信頼の置ける知り合いから話を聞く機会を設けたり、つながりを作ったりすることも可能だなと思いました。秋学期になってハイブリッド形式の授業が増えてきたり、部活が再開したりしだすと情報への需要は先輩から大学の外で活躍する人へと移行していきました。このタイミングで始めたイベントが社会人からぶっちゃけトークをしてもらう「New Generation Talk(略してNG Talk)」です。今でも毎度三人ずつ様々な分野で活躍なさっている社会人の方をお招きして、どういう経緯で今の経歴に至ったのか、その業界の裏側とは、についてお話しいただいています。

Connecting the Dots

こういった経緯を踏まえて出来上がったのが今の団体NUINE(New University in New Era) になります。

コロナ禍という生活様式が大きく変わる中で発足した団体だったので、最初はこの団体が企画するイベントを通して参加者の世界を広げてもらうという意味合いが強かったのですが、一年経って、未だ緊急事態宣言が明けない月日が多いもののだいぶ学生活動の自由が効くようにはなってきました。

そんな中で発足当時からずっとこの団体が大切にしてきていることは、ヒトやモノとの出会いの場を増やすこと、またその出会いが色んな点(Dots)となってその人の中でいつかどこかで線で繋がることです。これはスティーブジョブスがスタンフォード大学の卒業式で行った有名なスピーチ(2005)から拝借している言葉になりますが、大学で選択したカリグラフィーの授業が今のアップル製品のキーボードに現れているように、一見全く関係のないことが人生の中のいつかどこかで繋がる時が来ます。よく視野を広げると言った言葉を使ったりしますが、学生時代には色んなものに触れて、知って、それぞれの学生のDotsを増やしていく機会をNUINEの企画するイベントでお手伝いできたらいいなと思っています

参考

‘You’ve got to find what you love,’ Jobs says. Stanford News. June 14, 2005. Date accessed: July 14, 2021 https://news.stanford.edu/2005/06/14/jobs-061505/


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