【イベントレポート 第一弾】地域団体コモン・グッド交流会 at ICU


ICONfrontイベントレポート始動!記念すべき第1弾では、2023年4月2日にガッキ(ICUの食堂)で開催された「地域団体コモン・グッド交流会 at ICU」にICONfrontメンバーのりことみれいで参加させて頂きました!

このイベントは、コモン・グッド基金学生委員会が主催した、NPO団体とICU生を繋げることを目的としたもので、14の団体と50人を超える学生が参加しました。今回はその様子を、「イベントレポート」というICONfront初の試みでお伝えします。ぜひご覧ください!

目次

~イベントのおおまかな流れ~

・団体紹介

・パネルセッション

・座談会

・イベント終了/フリータイム

<パネルセッション>

今回のイベントでは、各団体がそれぞれブースを設けて、活動内容の紹介を行っていました。「パネルセッション」は、参加者が興味のある団体のブースを訪れて、スタンプラリーをしながら、自由にお話を聞くことができる時間でした。

私たちも多くの団体にお話を伺うことができたので、その一部を紹介したいと思います。

・いちごえ会(高次脳機能障害小金井友の会)

「私たちは、会員100人ほどの団体で、会員それぞれが妻や夫、子どもが高次脳機能障害を持っています。私も、甥が2年前にくも膜下出血で倒れて、高次脳機能障害になりました」

<補足>

高次脳機能障害とは、

高次脳機能障害とは、病気(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血など)や、ケガ(脳外傷など)のために、脳の高次の機能(ふつう「脳のはたらき」という時に思う記憶・注意・計画性・理解力など)が障害されてさまざまな症状が起こり、それによって日常生活・社会生活に非常な困難が生じた状態です。

高次脳機能障害について | いちごえ会【高次脳機能障害者小金井友の会】 (ichigoe.org)

「脳出血や脳梗塞、くも膜下出血などは、年齢が高い人が割となるイメージがあるけど、子供でも交通事故等による脳外傷に20年経ってから気づくこともあります。自分でも症状の原因が高次脳機能障害によるものと気づけない場合もあるんですよ。

3年のうちに小金井にある国有の土地を福祉に充てて、働ける場所や、障害の有無を問わず子どもの拠点作りを掛け合わせたような構想を実現させていきたいと思っています。

アイデアを出し合ったらり地域に根ざした活動をICU生とも行っていきたいです」

・Table for Two ICU Supporters

「私たちは、世界の食の問題に取り組む団体です。「#onigiriaction」でおにぎりの写真を投稿してもらうごとに100円の寄付を行ったり、ガッキとコラボをしたりと、様々な活動を行っています。最近では子供食堂も始めました!」

ーー今回のイベントに参加した理由は何ですか?

「NPO法人の方との繋がりを持てたらと思い参加しました。食を絡めた活動を今後一緒にやっていけたらいいなと思っています」

・一般社団法人江戸小噺つながりコーチング

「私たちは、高齢者のデイサービス、町会での交流や学校学童に、訪問ボランティアを行っています」

ーー江戸小噺… 今日初めて聞きました!

「『たいが釣れたよそれはめでたい!』みたいにちょっとクスッと笑えるようもの。もっと長いのは落語みたいに2、3分お話になっててオチがあるのも小噺です!

ーーなぜ江戸小噺を活動の軸にしようと思ったんですか?

「日々コミュニケーションをよくしていきたいと私は思っているけど、世の中では言葉での戦いは続いてしまっているんですよね。だから、戦いじゃなくて、みんなが豊かにコミュニケーションをしてた時代はいつなのかなと考えていたら、それが江戸時代だったんですよ(笑)」

ーー今回はどういった経緯で参加されているのですか。

「コモングッドを通してイベントの情報を知りました。SNS関係は学生の方が慣れていてササッとこなしてくれそう。動画を投稿したりする人がいないかな〜と思っています」

ICU SDGs推進室

ーーこのイベントはどういった目的で参加したんですか?

「地域の方々と交流したいと思って来ました! ICUでは、SDGsを掲げた取り組みを多く行っているけれど、生徒や団体がそれぞれ独自に行っている場合が多いので、大学の部署としてまとめ上げるような役割をSDGs推進室が担いたいと考えています。そのための情報共有のネットワークを今日作れたらと思っています」

ーーなるほど。ちなみに「SDGs推進室」っていう名前はよく大学内で聞くんですけれど、具体的にはどんな活動をされているんですか?

「SDGsを推進するための活動をいろいろ行っていて、教授と生徒が連携して、どうすればSDGsをもっと知ってもらえるのか、SDGsに配慮したキャンパスづくりはどうすればできるのかを考えています。具体的には、フェアトレードを行ったり、ワークショップを開いたり、ICUの竹害を知ってもらうために竹箸を配ったりしてきました」

・Read By Anna

「小学生から高校生を対象に英語の絵本を読み聞かせしたり、カードを使ったりして英語の勉強を楽しくやっていこうという会です。

海外に住んだ経験がある人たちで、三鷹のコワーキングスペースを借りたり、地域の本屋さんで活動しています」

ーー今回はどうしてこのイベントに?

「コモングッド基金に選ばれたご縁で参加しました。でも年上だらけで緊張します…」

ーー年上だらけ…?

「実はICUの学生ではなく、男子校に通っている高校生です(笑)」

ーーええ!高校生でこういった活動をしてこうしてブースを構えているのには尊敬です!驚きです!

・地域ボランティア団体 “うず”

「私たちは地域ボランティア団体です!色々な方が参加しています。例えば、シンガーソングライター、現役の科学者、江戸小噺、イラストレーター、作家などなど…

一人一人のできること、個性、その人しか持っていない幸福感をうまく組み合わせて、大きな『うず』にしていこうと考えています。

中でも、私たちは『SHGs』、持続可能な幸福感を目指しています。お互いに表現しあい、フィードバックしていくことで、「私って意外とこんなこと楽しんでいたな」というのがその人の中でわかっていくと思います」

・協同組合三鷹中央通り商店会「WALKABLE MITAKA/あるける三鷹研究所」

「私たちは市民の有志の団体で三鷹で設計事務所をやりながらボランティアで活動しています。三鷹という場所は農家さんが多かったり、住宅地があったり、自然環境と住宅と商業が混在している町です。ネットワークを築いていき、商店街が単なる商売の場じゃなくて、人が集まる地域の「ハブ」になればいいなと思って始めました。

最近の活動としては、街中にベンチを置いたり、コンポストステーションを歩道上に置いたりしています」

ーーなるほど。環境配慮だけではなく、地域活性化にも力をいれているんですね!

「そうですね。やはり各家庭で段ボールの簡易コンポストを作ってもらったりはしているけど、限界があると思うのでステーションをこれから増やしていきたいですね」

・はけの森映画部

「武蔵野公園原っぱ近くの南小学校の学童で集まった父母たちを中心に、夕涼みの会を毎年行っていて、そのうち映画の上映もできたら楽しいよねーというところから始まりました。

夕暮れにはウクレレとか民族楽器とかのアコースティックライブを開いて、日が落ちてきたら映画を上映していたら、どんどん人が集まってきて」

ーーすごく素敵な雰囲気ですね!

「満天の星空を芝生に寝転がって見るんです!去年は音楽をテーマに、約300人ほどが参加してくれました。子供もいるので楽しい空間をつくり、見て幸せになるようなイベントになったと思います。今年はスクリーンのサイズを倍にしたいです!」

・CacaoShares カカオシェアーズ

「ぜひ!ベネズエラ…..のダークチョコレートです」

ーーありがとうございます!

「日本で作った Bean to Bar チョコレートの販売で、ベネズエラのクリオロ(カカオの品種)の苗木を寄付するという”1 Bar for 1 Tree Campaign” という活動を行っています。

協力してくれる店舗やオンラインでの販売を通してベネズエラのパタネモ村にカカオの苗木を寄付する予定です。しかし、カカオ販売だけでは寄付はあまりできません。

今年の目標としてNPOの申し込みをしたいと考えています。今は会社として活動していますが、NPOだからこそできることもやっていきたいです」

ー最後にカカオ豆を見せてくださいました!

「これはチョコレートの元、カカオ豆です。

この種(実は豆ではなくて)ここから発酵させて太陽で乾燥させてから輸出をします。

この感じで輸出される。この後にチョコレートに加工されます。プレゼントにどうぞ!」

ーありがとうございます!

・特定非営利活動法人 鷹ロコ・ネットワーク大楽

ーー先ほど、団体紹介でチアリーディングを披露されてましたよね!

「チアダンスを英語で学ぶクラスをICUの学生にお願いして、家庭の事情で習うのが困難な人に無償で週一回チアダンスレッスンを提供しています。

私たちシニアがお月謝を払う。それがICUの人たちに行って、子供たちにいく。

同じチアをするにも、私たちのお月謝があっちにも回るんだなと思うと楽しいじゃない?

ただ自分達が楽しむだけでなくて、自分の健康を維持するために自分にお金をかけたついでに、どこかにもそれがいくんだなって。

そういう高齢者の喜びをくすぐるような仕組みを作りました」

・NPO法人あそび環境Museum アフタフ・バーバン

「アフタフ・バーバンは、アラビア語で「扉よ開け」という意味です。

遊びを通して関わりが生まれ、生まれたこの関わりがお互いの扉を開いて、豊かになっていくことを目指しています。

子供たちがフラッときて居場所になったり思いついたことが言えたり、共有できたりとかそういう場を作りたいと思っていた時にコモングッドに申請し、この関わりも今年で2年目になりました。

名前は遊び食堂だけれど、食べ物は全く出てきません(笑)

子供の育ちで影響するのは食べ物からの栄養だけど、子供の時間の時にちゃんと遊び、遊びの中で自分を発揮したり、自分の好きと嫌いが見つかったり、相手の気持ちを想像したり、子供の育ちに影響する。遊びは主食という意味を込めて、その遊びを届ける場として、『遊び食堂』という名前でのプログラムを行っています。

CGG基金に参加することで、学生さんたちが子供たちと同じように、ふらっと遊びに来てみんなの場になっていってほしいという思いがあります。今回もみなさんにお話するときに、「ぜひ遊びにきてほしい」という風にお願いしている。

私ともう1人で企画を運営していて、どうしても偏ってしまうので、学生さんが関わることで子供たちがこういう大人もいるんだ、という出会いの場にしたいです」

ーー(ブースの展示を見ながら)このラジオってどのように配信しているのですか?私たちもpodcast配信していて……

「そうなんですね!私たちはRadiotalkというアプリで配信してます。休むことや遊ぶことは子供の権利だという、子供の権利条約の31条のことをもっと身近に生活の中で考えるきっかけを作りたくて始めました」

・CGG

※主催であるCGGのメンバーの方が取材中に話しかけてくださいました!

「取材は順調ですか?」

ーーはい!お招きいただきありがとうございます。主催側としては、イベントの様子はどう受け止めていますか?

「まさかこんなに多くの人が参加してくれるとは思っていませんでした(笑)

CGGは1年周期の活動で、メンバーの総意としてこういったイベントをやりたいという思いが前々からありました。メインの活動は助成金を配ることだったので、それが落ち着いたこのタイミングでようやく開催することができました」

<座談会>

団体との交流が終わると、次は参加した生徒同士でディスカッションが行われました。ガッキの丸テーブルに、トークテーマが設置されており、初対面でも話しやすい環境でした。実際にあるグループを覗いてきました。

テーマはSDGsについて……


「SDGsで関心があること……。なんかある?」

「うーん、ゴールがいまいちなんだったか覚えてないんだよね」

「私が個人的に気になってるのは17のゴールの中の、貧困をなくそうと働きがいも経済成長も、あと人や国の不平等をなくそうかな」

「SDGsの項目に当てはまるような団体があったけど、どこに惹かれたとかある?」

「SDGs推進室と映画!」

「自分は高次脳機能障害のところかな。障害とかの普通の健康な人たちの配慮が大事だと思うので。」

「イベントに参加してみて、NPOにもいろいろあることを知った。自分達が想像していた活動だけじゃなくて、色々な視点を持って活動に取り組んでいる。

話をたくさん聞いて、そういうアプローチの方法もあるんだなと思った。」

「そもそも立ち上げる人たちが当事者や経験者である人たちが多いから、熱意もあってフォローが厚いんじゃないかな」

座談会はイベント終了後のフリータイムも続き、「パネルセッション」中に各団体のブースでに聞いた話を、生徒自身の経験や興味関心と交えながら充実した議論を深めているようでした。

<参加者へのインタビュー>

イベント中、参加したICU生に感想を聞いてみました。

・ID 27 

「27だから、ICUのイベントとか初めてです。学生でこういう場を作れるのがすごいなと思いました!すごく気楽に来れるし、色々な活動をしている団体の話を聞けたのがよかったです。特に、CacaoSharesの話が面白かったです!

カカオの話はよく聞くけど、実際に資金提供とかに関わっている人の話は初めてでした。

これもらっちゃって…カカオの豆みたいな」

・ID 27

「学校からのメールを見て、時間があるから来てみようかなと思って気軽な気持ちで来ました。カカオ聞きたいけど混んでますね(笑)」

ーそうですね(笑) あ!スタンプ貰ってる!

ーもしよかったら写真撮らせてもらってもいいですか……?

ーありがとうございます!興味のある団体はありましたか?

「はけの森映画部を聞きに行って面白かったです!参加もボランティアとかもできるらしいからやってみたい」

・ID 26

「LINEでの宣伝でイベントを知りました。アイリス (IRIS : ICU Refugee and Immigrant Solidarity) という団体の代表をするから地域の団体の方と交流できればなと。何日も来ているけど知らないことが多いことに気づかされました!」

<イベントに参加して……>

ICONfront: 入学式直後の開催ながらも、新1年生が多く参加し、活気溢れるイベントでした。ブースを設けていた団体の方々からの熱気も高く、多くのICU生がそれを直に受け取り、議論を深めていました。

団体x生徒だけではなく、団体x団体の交流もあって、団体にとっても生徒にとっても可能性の幅を広げられるようなイベントだったのではないでしょうか。

今回は、コモン・グッド基金学生委員のみなさまのご厚意で取材という形でイベントに参加させていただきました。私たちICONfrontはアクティビストの方々の活動を応援し記事を通して広めるという活動をしているため、多くの団体や生徒が集まる本イベントを取材することができて光栄でした。非常に貴重な体験をありがとうございました!

※ICONfrontでは、これからもイベントレポートの執筆を行いたいと思っておりますので、イベント開催予定のアクティビストの方は、ぜひお気軽に下記の連絡先までご連絡ください。

主催団体関連リンク

ICUコモングッド基金学生プロジェクト

ウェブサイト・関連リンク:https://office.icu.ac.jp/slc/cgg/index.html

Instagramアカウント:https://www.instagram.com/icu_cgg/

Facebookアカウント:https://www.facebook.com/icu.cgg

参加団体一覧&関連リンク

いちごえ会(高次脳機能障害小金井友の会)

Table for Two ICU Supporters 

一般社団法人江戸小噺つながりコーチング

ICU SDGs推進室

Read By Anna

地域ボランティア団体 “うず”

NPO法人チームくじら号

協同組合三鷹中央通り商店会「WALKABLE MITAKA/あるける三鷹研究所」

はけの森映画部

CacaoShares カカオシェアーズ

特定非営利活動法人 鷹ロコ・ネットワーク大楽

NPO法人あそび環境Museum アフタフ・バーバン


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